乾癬と汗|夏の痒みと、汗をかける体を取り戻したい話【導入編㉒】

導入編

暑い日が続いています。今日は夏の話、汗の話をします。

「皮膚の症状は冬に悪化する」——これはよく聞く話です。空気が乾燥して、暖房で室内はさらに乾いて、肌がカサカサになる。確かにその通りだと思います。

でも私の実感は、少し違います。夏も、かなりつらい。

汗をかく季節には、冬とは別の種類のつらさがあります。今日はそのあたりを、正直に書いてみます。


汗は、悪者ではないと思っている

先に、いちばん言いたいことを書きます。

私は、汗そのものは悪者ではないと思っています。

汗をかくと痒くなる。だから汗をかかないようにする。冷房の効いた部屋にいる。運動を避ける。——気づけば私は、30年近くそういう暮らしをしてきました。

でも最近、それを反省しています。

汗をかかない生活を続けた結果、汗をかけない体になってしまったのではないか。そう思うようになったからです。

汗をかくことには、本来いろいろな役目があると言われています。体温を調節する。皮膚の表面をうるおす。汗と皮脂が混ざってできる膜が、肌を守る。汗に含まれる成分には、肌の水分を保つはたらきや、菌のバランスを整えるはたらきもあるとされています。

つまり汗は、本来なら味方のはずのものです。

それを30年遠ざけてきたのだから、体の反応がおかしくなっていても不思議はない。今はそう考えています。


痒みのスイッチは、汗をかく「前」に入る

ここが、一般的な説明といちばん食い違うところです。

よく「汗を放置すると刺激になって痒くなる」と言われます。だから拭きましょう、シャワーを浴びましょう、と。

でも私の場合、そうではありません。

汗をかきそうだと感じた段階で、もう痒くなり始めます。 汗が出るのとほぼ同時に、発作のように痒みが走る。放置していたから痒くなった、という順番ではないのです。

体の中で何かのスイッチが入る。そういう感覚に近いです。

調べてみると、汗をかく指令を出す神経の伝達物質が、痒みにも関わっていると言われています。発汗と痒みが同じ引き金でつながっている、という説明です。私の実感とは、わりと合っている気がします。

ただ、これは体質による差が大きい部分だと思います。「汗を拭いたら楽になる」という方も当然いるはずなので、自分がどちらのタイプかを知っておくことが大事なのだと思います。


私がいちばんつらいのは、首からデコルテ

部位でいうと、私は首まわりから胸元にかけてが群を抜いてつらいです。

理由は想像がつきます。汗がたまりやすい。衣類の襟が当たる。髪が触れる。掻いて傷になっているところは、汗が沁みてさらに痒い。条件が全部そろっています。

以前、圧迫や摩擦が刺激になるという話を書きましたが、夏はそこに汗が加わる形になります。


やっていること——すぐ拭く、早めに入る

対策は、驚くほど地味です。

ひとつ、すぐ拭く。タオルを手元に置いておいて、汗をかいたらすぐに押さえます。こすらず、押し当てて吸わせる感じで。

ふたつ、できるだけ早く入浴する。汗をかいた日は、夜まで待たずに流してしまいます。お湯の温度は、以前書いたとおり熱くしすぎないこと。ここは徹底しています。

痒みのスイッチが先に入るタイプでも、汗を長時間そのままにしておいて良いことは何もありません。順番はどうあれ、拭くことと流すことは効きます。


服はガーゼが、やはり正解だった

夏になって、あらためて実感しました。

ガーゼ素材は、汗の季節に理想的です。よく吸って、よく乾く。肌にはりつかない。以前「肌が弱くなって綿にたどり着いた」という話を書きましたが、夏はその良さがいちばん出る季節だと思います。

汗をかいたときに、濡れた布が肌に張りついている状態がいちばん良くない。乾きの速さは、思っている以上に大事です。


冷房とは、どう付き合うか

ここは正直に書きます。

症状がひどいときは、無理をせず冷房を使ってください。 我慢して悪化させたら本末転倒です。私もつらい時期は素直に涼しくしています。

そのうえで、少しずつでいいので、汗に慣れていくことも必要だと思っています。

冷房に逃げ続けている限り、汗をかけない体のままだからです。調子の良い日に少し歩く。湯船に浸かる時間を少し延ばす。そのくらいの小さいところからで十分だと思います。

いつか滝のような汗をかけるようになったら、そのあとに何か変化が訪れるのではないか。根拠のある話ではありませんが、私はそう信じています。


一般論と、自分の実感がズレたとき

「冬に悪化する」という一般論は、たぶん多くの人に当てはまります。でも私には、夏の汗の季節も同じくらいつらい。

こういうズレは、あちこちにあります。良いと言われるものが合わなかったり、その逆だったり。

大事なのは、一般論を否定することではなくて、自分の場合はどうかを知っておくことなのだと思います。私は夏も警戒が必要なタイプ。それが分かっているだけで、身構え方が変わります。

夏はまだしばらく続きます。無理せず、涼しくしつつ、でも汗から逃げ続けない。そのあたりのバランスを探りながら、この季節を越えたいと思っています。

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