塗る話の、裏返し
先日、導入編でオメガ6の話を書きました。あちらは「肌に塗ると、バリアの材料になる」という話でした。今回はその裏返し、「口から摂るぶんは、いかに減らすか」という除去編です。
なぜ摂りすぎると良くないのか——体の中で炎症寄りの物質に変わりやすく、その量とバランスが崩れると具合が悪い、という理屈は導入編で書いたとおりなので、ここでは繰り返しません。今回はもっと実際的な、「じゃあ毎日の暮らしで、どうやって減らすの?」という話に絞ります。
難しいのは「見えない油」のほう
オメガ6を減らそうと思ったとき、最初に厄介なのは、自分で使うサラダ油よりも、気づかないうちに口に入っている油のほうが多い、という点です。
揚げ物、菓子パン、スナック菓子、カップ麺、コンビニや惣菜コーナーの揚げ物、外食で使われる調理油。こうした加工食品や外食には、リノール酸の多い油がたっぷり使われています。しかも自分では量を調整できません。だから、家で使う油を替える以前に、まずこの「見えない油」とどう距離を取るかが、いちばん効いてきます。
私がやめたこと・減らしたこと
ここからは、私が実際にやっていることを並べてみます。特別なことはしていなくて、地味な積み重ねです。
まず、揚げ物は食べません。これがいちばん大きいと思います。揚げ物は油の量も多く、しかも高温で酸化しやすいので、思いきってやめました。
炒め物をするときは、油をなるべく少量に。オリーブオイルを少しだけ使い、あとは素材から出る水分を利用して、蒸し焼きのようにして火を通します。たっぷりの油で炒めなくても、意外とちゃんと火は通ります。
外食は、そもそもほとんどしません。それでも外で食べるときは、和食のさっぱりしたメニューを選ぶようにしています。揚げ物定食ではなく、焼き魚や煮魚の定食を選ぶ、というくらいの意識です。
加工食品も極力避けます。どうしても使うときは、パッケージの脂質量を確認する。数字を見る習慣がつくと、「これは思ったより脂質が多いな」と気づけるようになります。
お菓子は、おせんべいくらいにしています。ただし、同じせんべいでも揚げせんべいは油を使っているので、そこは避けます。
結局、和食に戻ってくる
こうして並べてみると、私の食事は自然と昔ながらの和食に寄っていきました。
玄米、味噌汁、焼き魚か煮魚、お浸し、煮物。この組み合わせにしておけば、油のことをいちいち神経質に考えなくても、だいたい安心です。献立の”基本の型”を決めてしまうと、毎日の判断がぐっと楽になります。あれこれ我慢している感覚もなく、むしろ体に合っている心地よさのほうが大きいです。
減らすことに、集中していい
最後に、私自身の距離感について書いておきます。
まず知っておきたいのは、オメガ6は意識して”摂りにいく”必要がほとんどない、ということです。玄米や魚、大豆製品など、ふつうの和食を食べているだけで、体に必要なぶんのリノール酸は自然に入ってきます。必須脂肪酸ではありますが、現代の暮らしで不足する心配より、摂りすぎのほうがずっと現実的です。だから私は、「必要なぶんは勝手に入ってくるのだから、こちらは減らすことだけ考えればいい」という気持ちでいます。
そのうえで正直に言うと、私はオメガ6を、減らせるものなら減らせるだけ減らしたいと思っている側の人間です。長く肌とつきあってきた実感として、そのほうが調子がいいからです。ここまで読んで「そこまでやるの?」と思われたかもしれませんが、私にとってはこれが心地よい落としどころなのです。
ただ、これはあくまで私の場合の話です。完全にゼロにするのは現実的ではありませんし、どこまで減らすと心地よいかは人それぞれです。不足を気に病む必要はないぶん、あとは自分の体を見ながら、無理のない範囲で。私はたまたま、かなり減らす方向が合っていた——そのくらいの受け止め方で読んでもらえたらと思います。

