今回は【除去編】の第三回。テーマは歯科金属です。
「歯の金属が皮膚に出る」という話を知って
今から10年ほど前でしょうか。歯科金属が原因で皮膚症状が現れる人が一定数いる、という話題が取り上げられていました。
子供の頃から虫歯ができやすかった私の口の中には、10本以上の金属の義歯がありました。これを聞いて、疑わしきは無視できない。すぐに動くことにしました。
実際、これは私の思い込みではなかったようです。口の中の金属が、遠く離れた皮膚に影響する。不思議ですが、そういう仕組みがあるんですね。
背中で受けたパッチテスト
当時かかっていた皮膚科に、金属アレルギー検査(パッチテスト)をお願いしました。
背中に何十種類もの金属パッチを貼り、その全体を大きな保護シートで覆います。正直、粘着剤だけでも痒くなりそうだな…と思いながらの検査でした。これを1週間ほど貼り続けます。その間シャワーはOKでした。
1週間後の結果は、クロムが疑わしいとのこと。ただ、見た目だけの判断なので「少し赤くなっている」程度では、はっきりアレルギーと断定はできないそうです。
2年半におよぶ金属除去治療
歯科金属にクロムが使われることは少ないそうですが、ゼロではないとのこと。そこで歯医者さんに診断書を持参し、事情を説明して、口の中の金属をほぼ除去する治療がスタートしました。
「治療しても皮膚症状が治まらない場合もある」——それも承知のうえでの決断でした。
「ほぼ」というのは、表からは見えない軸の部分などは少し残ってしまうためです。そのくらいは許容範囲として承諾しました。
この治療は2〜3週間に一度の通院だったこともあり、トータルで2年半ほどかかりました。長い道のりでしたが、ここまで来たら最後までやろう、という気持ちでした。
ちなみに、口の中だけでなく、家にあるステンレス製の鍋や食器も全て処分するか、使わないようにしました。徹底的にやらないと気が済まない性格なんです。
結果は「完治とはならず」
当時、アトピーというより痒疹がひどい時期でした。
口の中の金属がなくなったことで、痒疹の範囲は徐々に減っていきました。これは確かな変化でした。ただ、完治とまではいかなかった。
つまり、金属は原因の一つではあったけれど、すべてではなかった。他にもまだ原因があるのだろう、という結論に至りました。
それでも、やってよかった
2年半と費用をかけて完治しなかったと聞くと、無駄だったと思う人もいるかもしれません。でも私はそうは思っていません。
原因を一つずつ確かめて、消していく。「これは効いた」「これは効かなかった」を自分の体で知ることは、遠回りに見えて実は近道だと思っています。可能性を一つ潰せたことに意味がある。
歯科金属が気になっている方へ。必ず治るわけではありませんが、原因の可能性を一つずつ確かめていくうえで、試す価値のある選択肢だと思います。まずは皮膚科でパッチテストを受けてみるところから始めてみてください。

